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タイ語の薬

 象形字典@笑わせんなヴォケが!(ちゃんねるぼっくす傘下のアスキーアート系blog)です。

 いわゆる「シリア語ブラクラ」をご存知でしょうか。
 シリア語ブラクラとは、ユニコードでシリア文字(アラビア拡張)として用意されている文字を表示するとそれ以降ひとつの改行で2行分改行されてしまい、アスキーアートが非常に見づらくなるというブラウザの不具合のことです。
 いわば外国語の文字が“毒”として作用する場面です。

図1

 シリア文字 (ウィキペディア-Wikipedia-)

 一方、タイ語で「。」(句点)として用いられる文字を付けると、ドクロ記号のような一部の特殊文字を表示することが可能になる(*1)というブラウザの現象があります。
 これは外国語の文字が“薬”として作用する場面といえるでしょう。

図2

 タイ語 (ウィキペディア-Wikipedia-)

 さらに、毒にも薬にもならない例として、インドで使われるデーヴァナーガリー文字でつくる顔文字(*2)が挙げられます。

図3

 デーヴァナーガリー (ウィキペディア-Wikipedia-)

 シリア語ブラクラは、シリア文字が行の上下に作用するという特徴に起因するものですし、デーヴァナーガリー文字でまつげ付きの顔文字がつくれるのも同様の理由によります。またタイ語を利用した特殊文字の表示は、タイ文字の句点が後方に作用するという特徴を生かしたものです。
 日本においてJISコードとして提供されている数千個の文字の集合がアスキーアート表現においてなかなか便利であり、かかる日本語環境の中で完結している面があるため気づきにくいのですが、世界には文字の組み方において日本語とは変わった発想をする言語がありアスキーアート表現もそれに依存したものとなるのですね。
 たまたま日本語環境の中に放り込まれると、その脆弱性に乗じて悪さをする(シリア語ブラクラ)こともあれば、ユニコードの文字の表示に弱い日本語環境を助ける方向で役に立つ(特殊文字の表示)こともあるということです。


脚注(*1) 「AAの特殊文字 〜#3642の謎〜」参照
脚注(*1) 「彫りの深い顔文字」参照

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